一般社団法人ウーマンエンパワー協会

【取材】フェムテック企業のウェルビーイングな働き方/株式会社KOKYU

約5分

ウーマンエンパワー協会では、さまざまな企業の取り組みを取材しています。

今回は、連続起業家で、妻の肌の悩みを機に女性の様々な悩みとトラブルの要因を知りフェムテック事業をスタートしたという(株)KOKYU代表の堀敦友氏にお話を伺いました。

<企業概要>株式会社KOKYU(大阪府大阪市)

設立:2020年12月

従業員数:約40名(女性社員比率100%、女性管理職比率90%)

事業内容:化粧品製造小売・ピラティス、トレーニング、フェイシャルエステ インナーケア、ストレスケアなどのフェムケアD2C

Q.  フェムテック分野でスタートアップ3年半ということですがどんな事業をされているんでしょうか?

きっかけは妻の治らない背中のにきびでした。調べてみると、女性の社会進出が進む中で、睡眠、ストレス、家事育児、ホルモンバランスなど様々な要因が肌トラブルにも繋がっているということを知りました。

そこで、それぞれのウェルビーイングと、あらゆる女性の悩みを解決するために、化粧品、エステ、ピラティスなどのボディケア、ストレスケア、食事指導など、様々な支援を自分たちで開発しようと始まったフェムケアD2C企業です。

最終ゴールとしては、個人ごとのライフログデータをとり、パーソナライズド提案ができるよう1000種類の商品展開を目指して、その人に合った最適解を提供できる仕組みをつくりたいと思っています。

Q. 女性の働きやすさやキャリア支援という観点ではどういう取り組みをされているんでしょうか?

働き方としては、主に裁量労働制とスーパーフレックスをかけあわせた仕組みにしています。

女性特有の問題や子どもの病気などで急に休まざるを得ないと普通は減給になってしますが、この働き方の提案で社員のウェルビーイングは向上していますね。

またライフステージが変わると、何者かにならないと仕事に就くのが大変だという現状があります。そこで福利厚生の一環として、何者かになるための資格支援をして弊社が例えつぶれても困らないスキルを身につけられるよう、小手先ではなく中長期の支援をおこなっています。

日本フェムテック協会認定資格は3級は社員全員もっていますが2級の支援をしたり、ピラティスやMBA資格の支援もしていますよ。

Q.  制度は常にアップデートしているということですが?

小学校に子どもが入学したらまた小1の壁がくるので、休みの補助を出すとか、家族セレモニー休暇制度やメンター制度をつくったり、副業を認めたりと常に就業規則もアップデートしています。

助け合える環境や文化を作り、女性のウェルビーイングをそれぞれができるように会社として心がけていますね。

東京都では、チャイルドプランサポート制度や、働きやすい職場環境づくり推進奨励金という制度があるので、抽選ですが都内に事業所がある企業にはおすすめします。

Q. さまざまな起業を経て、今は全く違う畑のフェムテックを女性100%の企業で推進されているわけですがやってみて組織運営はどうみていますか?

今までアパレルネットショップや化粧品のD2C、ベトナムの焼き肉屋など色々な起業をしてきて、以前はいかに利益を出すかばかり考えていましたが、今は志向が社会貢献に変化してきています。

社内はあえて女性社員100%で社会実験をしているような感じなんですが、どう組み合わせると全員がウェルビーイングかというのを、難しさも感じながら試行しています。

タスク共有をしたりお互いリカバリーできる仕組みにしていますが、やはりみてもらっているかという評価が大事なので、人事評価とインセンティブを整備し、休みをカバーしてくれる人をしっかり評価するようにしています。カバーしてくれた人にフォロー期間の売上がつくようにもしてますね。

賃金は社会的責任として、全体の最低保証を額面25万に去年(2023年)に引き上げました。生産性や付加価値を考えて利益をあげることが所得向上を目指すことに繋がることだと考えています。また、コンビニも物価高でコストが上がっているので、社食100円制度なども取り入れていますが社内で人気がありますね。

Q. DE&Iや女性活躍を進めていくうえでポイントは何だと感じていますか?

男女の所得格差は年1%ずつ進んでいるので、このままいけば格差は減っていくと思っていますがスピードは遅いですね。

やはり旦那さんの家事育児の認識のすり合わせと教育をすることが肝ではないでしょうか。

例えば「ゴミ捨て」というタスクには各ゴミ箱からゴミを回収する、あいたゴミ箱にゴミ袋をかける、など色んなタスクが付随しているわけですが、ただ「ゴミを捨てるだけ」しかやっていないのに「ゴミ捨てをやっている」と認識していたりします。そういう旦那さんの認識が変わると、家事育児のいろんな協業への認識が変わります。

弊社の女性社員はフェムテック企業に入社してくるくらいなのでこのあたりは問題なくハンドリングしてるようですね。

こうやって家庭の協業が変化していくことで、女性も仕事をきちんとマネジメントしていこうという意欲が高まり女性活躍推進という動きも加速するんではないかと思います。

堀 敦友氏
1981年箕面市生まれ。近畿大学経営学科在学中に起業を経験。卒業後も多種多様な事業の立ち上げに成功する連続起業家。WEB集客型の企業向け保険代理店・レディースEコマース・コスメD2C・マーケティング支援(ベトナム)PR会社・飲食店(ベトナム)2020年12月に女性のあらゆる悩みを解決する会社「株式会社KOKYU」を設立し、2021年に事業をスタートさせた。

株式会社KOKYUのHPはこちら

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