ウーマンエンパワー協会では、さまざまな企業の取り組みを取材しています。

今回は、文系・未経験からエンジニアになり、経験を積まれて2002年に株式会社ミラクルソリューションを創業したという代表取締役　長岡路恵氏にお話を伺いました。

＜企業概要＞株式会社ミラクルソリューション（東京都渋谷区）

設立：2002年6月

資本金：1800万円

従業員数：97名（男性69％　女性31％）※2025年5月時点

事業内容： システムインテグレーション、クラウドインテグレーション、AIソリューション、教育事業

東洋大学経済部 文系出身で当時はPCも持っていないスタートでした。
そんななか「ＩＴインフラ構築クラウドインテグレータをやりたい」と入社した大手IT企業で手を挙げてエンジニア業務にアサインしてもらい、昼夜勉強した結果サーバー技術資格を30個くらい取得して「資格女王」なんて呼ばれました（笑）。
フリーエンジニアとしてマイクロソフトやIBMなどの仕事を通じてキャリアアップし、世界最高の技術で「好きなことができる社会」をつくりたいと起業しました。

コロナ禍を機にリモートワーク案件が増え、その後は対面と組み合わせたハイブリッド型勤務が増えている印象なのと、受託案件も増えました。
弊社はエンジニアの教育プログラムを持っているので教育に力をいれており、実際にエンジニア未経験からの採用は多いです。当社が今までに培ったノウハウを伝授することで、第一線で活躍できるエンジニアに育て上げています。
労務管理も、Excel管理から勤怠管理システムを導入して効率化したことと、有給休暇や夏休み、育児休暇などの取得をしっかり周知するようにしているので男女ともに有給取得率は高いです。社内忘年会のビンゴ賞品に有給休暇もありますよ。業績を上げた功労者にもミニバケーション制度として表彰のなかで有休を提供しています。
会社は基本休むことにもポジティブなので、頭を使って効率を高めて工夫して仕事をし、オン・オフのメリハリをつけてもらえればと考えています。

直近3年で男性4名、女性1名が育休を取得しましたが、まずは社長から声掛けする、メールや帰社日での周知をする、SNS等メディアに積極的に発信する、などはしていきました。
普段から、社員一人一人に寄り添い、悩みを相談するなどコミュニケーションを取る機会がたくさんあることもポイントではないでしょうか。

意欲や熱意・向上心などマインドと、行動の面（資格の勉強をしている・取得済みなど）を一番重視し、その次に基本的なコミュニケーション力や人間性・人柄などを見ています。私たちはコンプライアンスが厳しくなる前から、自分のやる気スイッチは自分で押してくださいというスタンスですし、本人がたくさん働きたければたくさん働く、それなりでいい人はそれなりで働く、と自身の好きにしてくださいというダイバーシティ推進の考え方を持っていますね。
評価はコンピテンシー評価、自分で定めた目標に対する評価、360度評価をすべて組み合わせた最先端の評価にしています。
コミュニケーション面では個人面談やランチミーティング、月1回ずつの帰社日とチーム会があり、その他に忘年会やサークル活動支援制などを設けています。

プログラムまで自社で制作して教育できるIT会社は少ないと考えています。
当社は「Windows Server 2022 Technology１ヶ月でWindowsサーバーエンジニアになる本」などの書籍や動画講座をもっており、eラーニングとして社外の方へも販売しております。
学生向け採用イベントでは、弊社の風通しの良さとあわせて、エンジニアになるうえでしっかりした教育が受けられるというのは魅力を感じていただけているようです。

組織の考え方に性別などの思い込みや差別があるとそういう方向に流されてしまうので、「仕事の成果」で公正に評価する意識と発言が大事ではないでしょうか？
誰かが得する・誰かが損するという偏った人事制度はやめましょう、と社内でも常に言っています。
会社として就業規則や規程を整備することは当然のことですが、マインドと発信をしっかりしていくことだと思います。企業理念／ビジョン、クレド（行動指針）は明確にしていますが、仕事は楽しくするものであり、どれだけ楽しくできるかがポイントだと考えています。
社内でも、チームごとに課題に取り組んで解決するミラクル・プロジェクトという制度があります。
学生のうちから起業したり個人事業主になったりと働き方の選択肢は増えていますが、私がフリーで働いたときは1人で働く寂しさと、売上と広がりの限界を感じました。
みんなで成長しながら働きたい、弊社の考え方や想いに共感いただけるという方と一緒に働ければ嬉しいですね。