一般社団法人ウーマンエンパワー協会

【取材】社員の生の声から制度を考え推進し、課題解決に取り組む/株式会社アドウェイズ

約6分

ウーマンエンパワー協会では、さまざまな企業の取り組みを取材しています。

今回は、国内外でデジタル広告など総合マーケティング支援をする株式会社アドウェイズ 遠藤由依氏、美馬梨沙氏にお話を伺いました。

<企業概要>(株)アドウェイズ(本社:東京都新宿区)

設立:2001年
資本金:1,717百万円(2024年12月末)
社員数: 1,041名
事業内容:エージェンシー事業 (広告代理業);アドプラットフォーム事業;海外事業;ライフスタイル事業;DX事業;スタートアップ投資

Q. 事業や強みについて教えてください。

アドウェイズは、元々20年以上前にアフィリエイト事業からスタートした会社です。現在はアプリ・Webサービスの包括的なマーケティング、プロモーションを支援する広告事業をしているほか、プロダクト開発、DX事業など領域をまたいだ様々な事業を展開しています。顧客の事業課題に寄り添ったデジタルマーケティングの戦略立案と実行を強みに国外でも事業を展開しています。
当社のパーパスは“全世界に「なにこれ すげー こんなのはじめて」を届け、すべての人の可能性をひろげる「人儲け」を実現する。”というものです。世の中の人を驚かせたり喜んでもらうために、積極的に新しいことにもチャレンジしており、例えば最近は主軸である広告事業以外にもDXを活用した無人利用できる会員制のサウナやサウナホテルを展開しています。

Q. 広告事業というと忙しく残業が多いイメージですが、就業環境はどのように整備されていったのでしょうか?

もともとコロナ前から一部の職種でリモートワークを実施していたのですが、コロナが流行りだしたタイミングで急速に全グループでリモートワーク体制を構築しました。システムを構築し働く環境を整え、リモートワークやハイブリッド勤務を可能にしたことで、優秀なデジタル人材が子育てや介護など、個人の状況に合わせて、柔軟な働き方を選択しやすくなっています。

一方で、どうしてもオンライン業務だけだとコミュニケーションに距離がでてしまったり、議論がしにくかったりすることなどもあるため、そうした課題をクリアするために、会社方針として部署ごとに曜日やルールを変えるなどの、ハイブリッド勤務を取り入れています。

また、就業環境の整備の話ですと、2018年頃から取り組んでいる残業改善プロジェクトにおいて、残業時間が超えそうな社員にアラートが上がる勤怠システムを活用しています。稼働率が高い社員には上長や人事がフォローできるような仕組みを構築しています。

Q. 22年10月からスタートした「産後パパ育休」で、男性育休の取得率も大幅に上がったそうですね。

法整備に伴う出生時育児休業(産後パパ育休)の後押しで、男性の育休取得率は2022年11%だったものが、2023年は54%まで上昇しました。ハイブリッド勤務体制が整っていたことや、社員の平均年齢が上がってきたことで管理職が子育ての現役世代になったこと。さらにその上司たちが率先して育休を取得してくれたことなどがきっかけで、育休を取りやすい雰囲気が醸成できたと感じています。
なお、直近3年間で男性25名、女性31名が育休取得しています。緊急時には業務の連絡を取らせてもらえる体制を構築していますし、若手男性社員も将来的に、自分が子育てをするかもしれないという意識を持っている人が多いため、マイナスな印象は特になかったようです。どんなこともチャレンジしてカバーし合う文化は醸成されていると思いますね。

Q.社員規模も大きいだけに柔軟な働き方や変化は壁も高そうですがどう乗り越えましたか?

2014年頃と少し昔の話ですが、当時の人事担当者が100人近い社員へのヒアリングを実施し、社員のニーズや実態にあわせ、パパママ社員向けの制度を構築しました。現在は「MyWAYS」という名前に代わり、在宅や時短勤務など複数の項目を組み合わせ、働き方を選択できる独自の制度となっています。この制度は、これから子どもをもちたい、ライフステージを考え直したいという社員にも好評です。

私たちは、管理工数よりも、優秀な方が働き続けられる環境を作ることの方が大事だと考えています。また、この業界はどうしても業務がハードな印象もあり、子育て中の人が避けがちでしたが、制度を定めてからは、子育て中の方からの採用の応募も多くいただいています。また、社内に対しても理解促進に繋がるよう、会社の考えや価値観を、noteの記事やショート動画配信、女性社員を集めた座談会などで発信をしています。社員の働き方に対し、会社が何を考えているのかわからない、という状態はつくりたくないんですよね。

実は、昔のアドウェイズの行動指針に「できる理由を考えろ」という言葉がありました。そのため、事例がないからやらない、というのが存在しないカルチャーなのもあり、こうした色々な変化に対応できたのかなと思います。

女性活躍推進を経営課題として向き合えるようになったのはここ数年ですが、制度を考え推進していくことは新規事業をつくっているような感じで、課題に対して、どのような解決策が適切なのかトライアンドエラーを繰り返しながら日々奮闘しています。女性の活躍人材が今後も更に増えるように、子どもの有無にかかわらず不安を解消したり、事例を紹介しながら、キャリアの分岐点でもアドウェイズに残りたいと思ってもらえるよう、今後も地道に努力を重ねていきたいですね。

株式会社アドウェイズ
執行役員 コミュニケーションデザイン担当
遠藤 由依
2010年4月にアドウェイズに新卒入社後、モバイルアフィリエイトサービス「Smart-C」を担当。その後、Webデザイナー兼ディレクターとして広告デザイン制作に従事。2017年4月にデザイン部門の責任者を経て、2021年10月に国内広告事業部デザイン領域の副本部長に就任。
2024年1月より執行役員 コミュニケーションデザイン担当に就任。

VANso株式会社
中途事業部 部長
美馬 梨沙
2010年4月にアドウェイズに新卒入社後、法務、総務部に配属。後に開発部門のマネージャーを経験し、2014年に人事部へ異動。採用、教育、福利厚生、働き方改善等、様々な分野を担当。2025年5月より企業の人材支援を行う新会社Vanso株式会社の中途事業部部長としてクライアント様の採用支援に従事。プライベートでは2人の子供を持つママ社員。

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