ウーマンエンパワー協会では、さまざまな企業の取り組みを取材しています。
今回は、女性FP(ファイナンシャルプランナー)が多く在籍し、個人・法人に中立な立場でマネーコンサルティングを実施しているFPサテライトに取り組みを伺いました。
<企業概要>FPサテライト株式会社(東京都中央区)
創業:2016年 設立:2018年
従業員数: 役員2名、業務委託22名
事業内容:ファイナンシャルプランナーによるマネー相談、記事執筆・コンテンツ監修、セミナー研修講師等
Q. もともとFPとして独立したいと動いてらっしゃったということですが起業の経緯を教えてください。
学生のころからFPになりたくて商学部で学びましたが、いざ就職となると、求人は銀行、証券会社、保険会社などに限られました。
幅広い6分野の知識を学ぶFPの知識をしっかりと生かしてお客様の課題解決をする仕事がしたいと思い、税理士法人に約1年務めた後に、夫と起業しました。
どうしても保険などは代理店ノルマがあったり、手数料が大きい商品を売りがちで、実際はお客様の利益と相反するケースをみてきました。しっかり中立な立場でライフ相談、お金の相談ができる立場で支援するというポリシーを貫きたいと思ったんです。
Q. 業務委託の所属FPさんは女性の方が多いんでしょうか?
キャリアブランクがある方を含めて全員女性です。
FPは保険や証券を売りたいわけではないという葛藤がある方も多いのですが、日本ではまだFP相談はそこまで浸透していなく、キャリアを築きにくいのも現実です。
弊社では業務委託の方にも、無償で研修をしたり、ノウハウの提供をしたりしています。
FPとしてのビジョンを整理したり、セミナーや執筆を通じてインプットして発信するという実績づくりのお手伝いもしていますね。

Q. 基本はテレワークということですが、どのように運営しているんでしょうか?
年2回対面での研修懇親会の場はつくっています。
対面で会えるオフィスも用意していますが基本はテレワークなので、2DのPOPなメタバースオフィスを開放して、ちょっとしたことも確認しやすい環境を用意しています。

Q. 直接雇用でない方が多い組織という点で、難しい点や気を付けているポイントはありますか?
もともと直接雇用を増やすのが難しかったので業務委託の方と多く仕事をしていましたが、やはり偽装フリーランスのような形にならないようには気を付けています。時間や場所の拘束によって雇用と同じ形態になってしまうとそれこそ指摘を受けて人件費がかなり上がってしまいますので、しっかり発注に対する成果物で報酬を支払うという形にしていますね。
Q. 労使相互に大切だと感じることは何かありますか?
やはり相互に理解やリスペクトの気持ちを持つことでしょうか。
働く側は環境を提供してもらえることに感謝が必要だし、企業も働く人への感謝は必須です。お互いに当たり前だと謙虚さを失うと亀裂が入ってしまいます。
それから私たちはこの2年で「言葉を変えた」というところでいい成果が出ました。
具体的には、マイナスな言葉を減らし、できる限り前向きな言葉を発していこうという取り組みです。
キャリア形成は視野を広げると色々な道があります。資格の勉強でもいいし、一歩目がボランティアだとしても新しいスキルが身につきます。ブランクがあるからできない、ということではありません。
自分の人生を否定していては人の人生は前向きに支援できない。
仕事1つもすぐ「できない」ではなく、「とりあえずやってみよう、やってみてわからなかったら聞こう」という姿勢で自信をもって道を切り拓いていくことが大事だと思います。
資格や知識も持っているだけではだめで、マインドが大切だと感じています。


FPサテライト株式会社
代表取締役 町田 萌
日本大学商学部を卒業したのち、税理士法人での勤務を経て24歳でFP事務所を開業、26歳でFPサテライト株式会社を設立。
保険や証券などの金融商品を一切取扱わず、消費者にとって中立中正な立場で業務を行っている。
20代~30代前半の婚約中・新婚世帯を中心とした相談実績多数。約20名のFPサテライト所属ファイナンシャルプランナーとともにポリシーを持って業務を行っている。また、これまでに50名以上の女性FPの教育、マネジメントに携わる。
2020年度から産業能率大学通信教育課程の兼任教員を務めている。2024年現在、一児の母。
保有資格:CFP®、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員一種、簿記2級など
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